第15回国際バラとガーデニングショウ

※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

第15回 国際バラとガーデニングショウ概要 

ガイドも第7回から通い続けているこのイベント、このサイトでもすっかり定番となりましたが、初めてご覧いただく方のためにひとまずイベントの概要をご紹介しましょう!
「国際バラとガーデニングショウ(International Roses & Gardening Show 2013)」は、世界のバラと美しいガーデニングを紹介する国内最大規模のショウとなっています。
今年のメインテーマは、「恋するバラの15年」。世界の育種家によるバラの紹介や著名なガーデンデザイナーが腕をふるったガーデン展示のほか、コンテスト作品展示もあります。ステージイベントでは様々なデモンストレーションが行われたり、会場内で作品を作ることのできるワークショップも展開。もちろんお買い物もできる、魅力満載のイベントです。 

記念すべき第15回のショウは、どれも粒ぞろいの素晴らしいガーデンが会場を彩っています。その主要な展示ガーデンや、コンテスト作品など、ショウの様子を画像たっぷりでご紹介します。どうぞ、じっくりお楽しみください!

会場に入る前からワクワクが始まる!

可愛い片田舎の雰囲気 
西武球場前駅に降り立ち会場に足を向けると、そこにあったのは、ユ・メ・ミ ファクトリー マリーさんの可愛いガーデンハウスたち。ドーム入り口前にはアンティーク雑貨やドレスなど販売するショップもあり、まるで蚤の市のような景色が広がっています。
ここでのメインは、ひときわ目を惹く白い教会です。壁にはつるバラが這い、これから結婚式の予定でもあるのでしょうか、ドレスをまとったトルソーも見えます。

バラと始まる Today’s Anniversary 

 
ユ・メ・ミ ファクトリー

エントランスガーデンとロング ロング ローズアベニュー

毎年、来場者を迎えてくれるバラの回廊「ローズアベニュー」ですが、今年はその回廊が過去最長となっています。また、これまでのショウを振り返ることができる、歴代のバラたちも紹介されています。

そのロング ロング ローズアベニューへと誘うエントランスガーデンは、昨年の第14回国際バラとガーデニングショウのガーデン部門で大賞を受賞した、euro gaeden project with 欧州建材による、「~We will last forever~永遠に続く庭」です。


ガーデンは、「時が流れて形が変わっても、石積みの庭が自然とともに暮らす家族を永遠に見守る」というコンセプトで、昨年の大賞受賞作品から50年後のシーンということです。そこに住む家族が世代交代しても、庭は受け継がれていくのですね。

 

彩り豊かな植栽を眺めながら、自然にローズアベニューへと誘われる作りになっています。でも、ガーデンの裏側もしっかり作りこまれていますので、お見逃しなく!

オードリー・ヘップバーンが愛した庭 ティンティンハル ガーデン


こちらは、吉谷桂子さんによる15周年特別企画のテーマガーデン。
  今年は映画・ローマの休日で有名な女優、オードリー・ヘップバーンの没後20年にあたります。晩年携わった番組「世界庭園紀行」で世界の庭園を周ったヘップバーン、彼女が最も愛したといわれる庭「ティンティンハルガーデン(Tintinhull House Garden)」の一部「プールガーデン(Pool Garden)」の風景を会場に再現しています。

庭の中央には長方形の大きな池、左右にはボーダーガーデンを配したプールガーデン。一見シンメトリーのように感じますが、植栽は左側は暖色系のもの、右側は寒色系のもので構成されています。
 

イギリスのティンティンハルガーデンでは、中央奥に見えるサマーハウスのベンチでヘップバーンもくつろいでいたのでしょうか。

ホワイト・ガーデンのガーデンパーティー 

こちらは、国際バラとガーデニングショウ第1回目からガーデン展示を手がけてこられた、ケイ山田さんの庭です。 

 

15年という節目に、今回は1回目に展示されたホワイトガーデンを再現されたそうです。フォーカルポイントとして当時注目されたテントは白だったそうですが、今回のターキッシュ(トルコ)風テントとガーデンファニチャーには青をあしらい、よりいっそう目を惹くものになっています。 

15周年記念 バラとガーデニングコンテスト

今回も例年通り、バラ切り花、バラ鉢植え、ハンギングバスケット、ガーデンの4部門でコンテストが行われました。この15年の間に出展される作品はどれもレベルアップしてきていて、審査にはさぞかしご苦労されていることと推察します。

■バラ鉢植え部門コンテスト
大賞 農林水産大臣賞「ベル・ロマンチカ」日下 輝美さん(埼玉県) 



■ハンギングバスケット部門コンテスト
大賞 農林水産大臣賞「昇陽 ~いのち輝く~」喜多村 菜保子さん(東京都)


こちらの作品は壁掛け式ではなく、植栽で丸いボール状に仕立てられた吊り型バスケットになっています。そのため搬入・展示に際しても、取り扱いに大変気を使う作品です。
  
■ガーデン部門コンテスト
大賞 国土交通大臣賞「等身大で楽しむ僕等のサンクチュアリ」
空間創造工房 アトリエ朴(埼玉県川越市)



  
ガーデンチェアを拡大すると、その正体は猫車(一輪車)! 高価な材料を使わなくても、庭は楽しめることを実践した今回の作品、スコップの柄が門扉代わりになっていたり、みんなでくつろぐガーデンファニチャーもよくよく見ると……?
上の画像、左中程に見えるイスも実は平(角)スコップ製と、様々なアイディアが光る大賞作品です。 

ターシャ・テューダー 素足の庭

こちらの庭は、日本でも多くのファンを持ち2008年に惜しまれながらこの世を去った、アメリカの絵本作家ターシャ・テューダーの庭を、ナチュラルオーガナイザー神田 隆さんが再現した特別企画展示です。 


 次々と便利なモノが生み出されていく時代に、アメリカ・バーモンド州でナチュラルな自給自足に近い生活を続けたターシャ・テューダー。そのライフスタイルや、彼女の庭に憧れる人は多いです。が、実践はなかなか難しいもの……。
その暮らしぶりに近い生活を送るガーデンデザイナー神田隆さんによる庭は、来日されたターシャ・テューダーご子息夫人で人形作家のマージョリー・テューダーさんをして、「まさにターシャの庭」と言わしめた出来栄えになっています。 

メインハウス裏手

 
マージョリー・テューダーさんと神田隆さん

 素足で庭を歩くターシャの姿に感銘したという神田さん。メインハウスの屋根や壁材、納屋や柵などには、自身の管理する森から出た間伐材を使って作り上げました。
デッキにはパレットやボンネット、クリッパーなどターシャゆかりの品々も。

ターシャの庭から 

 
シンボルツリーのクラブアップル


仲良く並んだヤギたち 

 
デッキにはターシャ縁の品々が


神田さんによる
非公式ガイドブック

植栽のナチュラルな雰囲気は格別で、シンボルツリーのクラブアップル、ターシャの愛したバラ、長い時間をそこで過ごしたといわれるデッキも再現。ターシャ自身が使っていたものも、さり気なく置かれています。

庭にはガチョウや、ターシャも飼っていたという珍しい垂れ耳のヌビアン種ヤギの姿もありました。会場内に響き渡る奇妙な音は、ここのガチョウの鳴き声なので、ご安心ください。
右の「非公式ガイドブック」は300円で、収益はガーデンファーム「エコロヴィレッジ」で暮らすヤギたちの餌代になるそうですよ。


2013国バラガーデンスナップ集

ここからは今年の国バラ会場内で、ガイドのアンテナに引っかかった展示のスナップ写真をご紹介します!

まず一枚目は、デザインは違えど今回たくさんのガーデンで見かけた「KEEP OUT(立ち入り禁止)」の看板です。実用目的だけでなく、かわいく作られた看板はいいアクセサリーにもなりますね。 
鉢に立てられた「立ち入り禁止」の看板


ガーデン部門Aの作品「Roses eyes」内に作られた、ミニチュアガーデン。緻密に作られていて、画像だけ見たら本物の庭と間違えるかも?! 

ミニチュアガーデン


同じくガーデン部門Aの作品「Mon tresor ~私の宝物~」から、石組みに注目です。自然石を使っての土留はパズルのようで、なかなか難しいものですが、できあがりはナチュラルな雰囲気で素敵ですね。
 
自然石を使った石組み


今回のガーデン部門、『恋するバラの庭』というテーマのせいか、和テイストの庭が少なかった気もしました。その中で、こちらはガーデン部門Bの作品、昭和の日本家屋の雰囲気も懐かしい「幸せの黄色いバラ」です。 

縁側と露地のある、昭和の雰囲気の庭


ハンギングバスケット作品では、今年も既製の器材を使わずオリジナルで挑む意欲作が何点か見られました。 
また、西武ドーム前で行われていたガーデニングスクールの寄せ植え作品展示でも、参考になるものがたくさんありました。

松下卓生さんの作品「しぶき」

 
寄せ植えの作品展示も参考に

再び会場内に戻り、こちらはローラン・ボーニッシュのさんの「シャンペートル(田舎)への招待、フランス田舎の暮らし」から。暮らしの中のバラ装飾と、ローランさんのブーケづくりデモンストレーションが楽しめる空間です。 

 
 
最後はガーデン部門Bから、熊谷農業高校プロジェクトチームの作品「Forever 胸きゅん。」です。細部に学生らしい可愛らしさのある、完成度の高い作品でした。 

 


このほかにも、ロング ロング ローズアベニューではこの15年の歴代のバラたちを振り返ることができたり、著名なバラ育種家たちを紹介するコーナー、日本とトルコの深い友好関係が垣間見える、バラのふるさとトルコ「ターキッシュ・ ローズガーデン」、ステージイベントではガーデナーのトークショーなど、会期中は毎日がバラとガーデンを満喫できるスペシャルデーとなっています。 
この機会に、ぜひこの素晴らしいイベントに足を運んでみてください!

『第15回 国際バラとガーデニングショウ』
 期間─2013年5月11日(土)~16日(木)9:30~17:30(入場は終了の30分前まで)
 最終日16日は、17:00終了
 会場─西武ドーム (埼玉県所沢市上山口2135)

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