センスアップのヒント集ーVol.3 花色・葉色に注目しよう

センスアップのヒント集Vol.1では植物のフォルムについて、またVol.2では植物の持つマテリアルに注目してきました。今回は、植物の持つカラーについて掘り下げてみましょう。

※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

色を知ることで、幅が生まれる

色、特に花色については、シリーズ【カラーで楽しむガーデニング】の中で「赤」、「ビタミンカラー」、「ピンク」、「青」について、コーディネート例などをご紹介しましたが、植物の持つカラーというのは、何も花だけには限りません。そう、葉っぱの緑だって一色ではないのですから。
葉の緑も一色ではない

例えば、チューリップの花色は?と聞かれたら「赤、白、黄色!」とか、カーネーションは?というと「赤にピンク、白……?」、じゃあアジサイは「青とか紫?」と、ただ漠然とした色しか思い浮かばないことが多いのではないでしょうか。これらは、実際の花色よりも花のイメージが先行しているためでしょう。


ビオラなどは、ひとつの花に
たくさんの色が入っている
でもガーデニングを始めてみると、実際の色はもっと複雑で多種多様であることに気づかされます。例えばチューリップなら、赤・白・黄色だけでなく、ピンクやオレンジ、紫、グリーンの花だってあります。また、1枚の花びらに2色入っているものもありますから、実に多彩です。

また一口に白といっても、ピュアホワイトにアイボリーホワイト、灰白色やピンクがかった白、青みがかった白というのもありますよね。下に白い花の画像を並べてみましたが、微妙にニュアンスが違うのがおわかりいただけるでしょうか。


白ヤマブキ

 
ペレニアルフラックス

スイセン

 
オー二ソガラム

ハナモモ

 
クレマチス

また、花芯の色によっても、それぞれの花が与えるイメージは異なって見えます。
こういったことは、ただ「花を見る」だけで終わらせず、その花の中にどんな色が含まれているのかをよく観察することで掴めてきます。これができると、寄せ植えなどを作ったときに、「色の繋がり」がうまくできるようになり、自ずと作品に幅が生まれてくるようになってきます。

葉色も多彩なことを知る

この記事の冒頭で、『葉っぱの緑も一色ではない』と述べました。「ああ、確かに濃い緑や、黄緑もあるわよね」と頷いた方も多いでしょう。でも、実際の葉っぱは、花色に負けないくらいに多彩です。
ガイド記事【カラーリーフで庭に彩りを!】でも様々な葉色の植物があることをご紹介していますが、ここでも幾つかの葉っぱを画像でご紹介しましょう。

シークグリーンのアエゴポディウム

 
カーキに赤銅色の葉脈のヒューケラ

黄金の覆輪が入るツルマサキ
“エメラルド・ゴールド”

 
紫の葉をもつスモークツリー
“ロイヤルパープル”

刷毛で掃いたような白が美しい
ナルコユリ

 
葉のアイボリーが明るさをもたらす
オリヅルラン

どうでしょう?実に多彩ですよね。
植物の葉は、クレヨンや色鉛筆にあるような単純な緑色ではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

植物の色を庭に活かす

さて、ここまで花色と葉色についてお話してきましたが、「色」というととかく花色に目を奪われがちなものです。でも、花は移り変わりがあるもの、一年を通じて植栽のベースとなるのは葉色の方ですから、これをうまく活用できれば花が少ない時期でも充分に庭を楽しむことができます。

黄金葉から黄緑、緑のグラデーションとスモークツリーの紫、
差し色の青みがかったエリムス

センスアップのヒント集Vol.1の「フォルム」Vol.2の「マテリアル」、そして今回の「カラー」も併せて観察することで、植栽にさらに幅と広がりを持てるようになることでしょう。

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