ガーデニングQ&A集~管理編~

今回は、ユーザーの皆さんから寄せられたご質問の中から、植物の管理に関わるものをQ&A集としてまとめてみました。
お住まいの地域・庭の状況により植物の栽培・管理方法は変わってきますが、少しでも解決の糸口になればと思います。
※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

【Q1.】一日中日当たりの良いところに置いているナスタチュームが、瀕死状態です。
【A1.】
ナスタチュームは、夏の炎天下などの暑さが苦手です。特に関東以西では夏越しに注意が必要な植物です。コンクリート面の上に直接鉢を置いたりすると、照り返しなどで鉢内部が異常に高温になり、根が焼けてしまうことがあります。
夏場は、半日陰で風通しの良いところで管理しましょう。

【Q2.】ハナミズキの葉が落ち、枯れそうです。西日のせいでしょうか?
【A2.】
ハナミズキは耐寒・耐暑性があり本州全土で植栽できますが、植え場所は潮風・西日を避けた日向~明るい日陰が適しています。
また、うどんこ病にかかった場合にも、紅葉前に落葉してしまうといった症状があらわれます。この場合は、毎年梅雨前に病気の発生を抑える薬剤を散布します。

【Q3.】パセリの鉢土の表面全体にくもの巣のような白いものがはえているのですが、病気でしょうか?葉も一部黄色くなってきてしまいました。

【A3.】
おそらくカビ(糸状菌)によるものでしょう。
高温多湿、風通しが悪い環境にありませんか?また、鉢土が目詰まりしていませんか?
鉢植えの土は、何度も水遣りしているうちにクラストといって土の表面が固まってしまう現象がおきます。こうなると、水遣りをしても水は土の表層部と鉢の側面を流れるだけで肝心の根にはいきわたらず、結果的に水不足状態で枯れてしまったりします。
更に、土の表面だけが濡れた状態となり、土に黴が生じたり病気が発生したりします。
解決法としては、まず土を変えること。鉢植えの場合は、植付けの際できるだけ新しい土を使うことです。
古い土を再生して利用する際も、消毒して土壌改良剤を入れた古土3と新しい土7くらいでブレンドして使いましょう。

【Q4.】高さ60cmほどの金のなる木の葉が、茶色く変色して落ちてきました。どうしたらよいでしょうか?
【A4.】
金のなる木(花月)は、ベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物です。乾燥には強いのですが、水をやり過ぎると根腐れをおこします。
また、かなり大株のようですが、鉢増しや植え替えなど、土を取り替えたことはありますか?
もし鉢の中が根でいっぱいになっていたら、植え替えてみてください。
多肉植物用の土など、排水のよい土を使います。植え替えの際、痛んだ部分はカットします。また、挿し木でも容易に増やせますので、2~3本枝を切って予備に挿しておく とよいでしょう。挿し穂は2~3日半日陰に置き、切り口を乾燥させて使います。


【Q5.】 ベンジャミンの葉が、パラパラ落ちてしまいました。どうしたら良いでしょう?
ベンジャミンに毎日霧吹きで葉水をあげていたのですが、「根に水を大量にやらないとダメ」と言われ、その通りにしたら2~3日後葉が黄色くなってしまいました。

【A5.】
ベンジャミンはポピュラーな観葉植物ですが、葉が落ちる、黄色くなるといったトラブルが多いようですね。
★ベンジャミンの管理方法は…?
【置き場所】
本来は日光を好みますが耐陰性もあるので、明るい室内でOKです。
春~秋は戸外にも置けますが、環境の変化に弱いので、置き場所を変える際は徐々に慣らしながら移動させます。
また、低温には弱いので、10度以上で管理しましょう。
【水やり】
鉢土が乾いたら、たっぷり水やりを。(鉢受けにたまった水は捨てます)
また、多湿を好む性質なので、葉水をかけて湿度を保ちます。
時々、霧吹きでなく濡れ布巾で葉の表面を拭いてやると、葉の表面についた汚れも取れます。
冬は水を控えめにしますが、暖房などで乾燥しますので、時々葉水をかけてあげましょう。
【施肥】
春~秋の生育期のみ、緩効性の置き肥を1~2ヶ月に1回程度与えます。

★葉が落ちる(黄色くなる)原因としては…?
・環境の変化によるもの(日光不足、低温など)
・根詰まり
・根腐れ
・根の乾燥
 以上の原因が、考えられます。

★対処方法は…?
・環境の変化による落葉の場合は、上記の管理方法を参考に木が回復するのを待ちます。
・根詰まりしている場合は、鉢増し(一回り大きい鉢に植え替え)します。
・水をやり過ぎて根腐れをおこしている場合は、植え替えした方が良いでしょう。
腐った根を切り取り、同時に枝葉も1/3~1/2くらい切り詰めます。
鉢底土か軽石を敷いた鉢に、市販の観葉植物用土などで植え付けます。
・水遣りを怠って乾燥させてしまい、水をあげても回復が見られない場合は、根腐れ同様にダメージを受けた根を整理し、植え替えてみましょう。


植え替え後は株が弱っています。1~2ヶ月は肥料を与えないように!
また、いずれの対処法も初期のうちは回復が期待できますが、ダメージの程度にもよりますので確実とは言い切れません。


【Q7.】南天の鉢植えですが、花が咲いても実がなりません。
【A7.】

南天に実がつかないのは、開花期が梅雨時で受粉しにくいということと、 おしべとめしべ自体の熟期がずれて受粉しにくい性質であるからといわれます。
開花時は、雨に当てないように注意して管理します。
もう一つ実をつけない理由として、栄養が良すぎて葉ばかりが茂り、花が咲きにくいということが考えられます。
この場合は、もし肥料を与えているなら、肥料を控えてみます。特にチッソ分が多いと、葉ばかり茂ります。
また、庭植えや大きな鉢に植えている場合は、根を切り戻すことも有効とされています。(根切りは3月頃が適期です)
古枝には花が咲かないので、根を切るときに枝も整理します。
もともと受粉しにくい南天ですが、近くにもう一株植えると実なりが良くなるということもいわれています。
管理面では、鉢植えの場合「鉢土が乾いたらたっぷり水やり」を基本に、盛夏は渇きやすいので毎日チェックして水枯れしないようにしましょう。

※植物は生きものです!
そのため、一般論では一概に片付けられないものとなります。
同じ庭でも、「ここでは駄目だったが、違う場所に植え替えたら元気になった」ということも良くあります。一度失敗してもあきらめずに、いろいろと試して見られると良いと思います。

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