視察ツアー

17日に福島で開催された「花とみどりの復興活動支援事業成果発表会」に続き、18日(土)現地視察ツアーに参加してきました。

午前8時半、福島駅前集合で観光バスに乗り込んで出発です!
今回のツアーは福島ではなく、宮城県内を巡っての視察になります。


一箇所目は、宮城県白石市です。
ガイドさんに白石城のゆかりなどお話いただきながら、目的地となる緑ヶ丘公園へ。
ここはかつて住宅地とするべく造成されていたのが、宮城県沖地震で崩れてしまったため公園にしたのだとか。桜とツツジの名所だったのが、6年前の震災で地すべりが起きて崩落。桜もツツジも無くなってしまったそうです。

震災後2年は草も生えない状態だったのを、ほんの少し残ったツツジに加え、助成を受けて桜やツツジを植栽。いまは年に一回、業者に依頼して草刈りを行い、管理しているとのことでした。

 


白石市の次は、石巻へ向かいます。日本製紙の石巻工場からは操業の証の煙が煙突からモクモクと立ち上っていました。ここでは工場従業員は避難して助かったものの、工場にはたくさんのご遺体が流れ着いていたとのことで、構内に慰霊碑も建てられたそうです。

さてここでツアーのお楽しみ、昼食は石巻魚市場にほど近い斎太郎食堂さんで♪
銘々事前に予約しておいたメニューで、私は海鮮丼を頂きました。スケジュールが押していたので、ランチタイムは15分(汗)大急ぎでお腹に詰め込みました。


ここ石巻では、語り部さんがバスに同乗して説明くださるとのことでした。
「語り部」というので、勝手に50~60代のおじさんをイメージしていたのですが、待ち合わせ場所で現れたのは、なんと大学3年生の女の子でした。
震災後、「全国の皆さんから支援していただいた、その恩返しに何かできれば」と、語り部の活動をしているとのこと。

車窓から風景を眺めながら石巻の概要や、街中は北上川からの遡上津波で一階部分が浸水したこと、その後一週間ほどは水が留まっていたこと、当時自分は中学3年生で経験のない揺れと長さに家で一人泣きながら部屋のドアを押さえていたのが強く記憶に残っていることなど、震災当時の話を訥々と話してくださいました。


石巻は漁業の町で、魚市場も立派に再建しましたが、原発の影響による風評被害も。今も二重の検査を行って出荷されています。
向かった南浜門脇地区は、津波火災が発生し被害の大きかったところ。復興記念公園が作られることになり、起工式の準備が行われていました。下は、彼女達の活動拠点となる「南浜つなぐ館」。
中には津波で失われてしまった、かつての町並みが3Dプリンタで再現されたジオラマが展示されていました。画像右奥のこんもりとした部分は「日和山」。ここに逃げて生き延びた人が多い中、日和大橋では渋滞が発生して亡くなった方も多かったとか…。現在作られている二重堤防は、津波を防ぐためではなく、避難のための時間稼ぎなのだそうです。


若い語り部さんとお別れし、次に向かったのは「軌跡の神社」と呼ばれた「伊去波夜和気命神社(いこはやわきのみことじんじゃ)」です。
鳥居は津波でボッキリと折れていますが、周辺の被害が大きかったにも関わらず、ここでは津波が渦を巻き引き潮が発生しなかったため、お社に逃げ込んだ住民200人が無事助かったのだそうです。


 丸太で囲った花壇にはチューリップが芽を出していました。


ツアー最後の目的地は、女川です。車窓からは、嵩上げ工事の様子が。女川駅では、桜を守る会の方々にお話しを伺いました。


駅前に隣接するハマテラスは2016年12月に開業したばかりの地元市場。敷地内には、桜の木で作った地蔵尊も。ちょうどイベント開催の日に当たったようで、駅前は人で賑わっていました。




視察ツアーはここまで。福島から宮城へと移動が長かったため各所での滞在時間は少なかったものの、なかなか訪れることができずにいた地域に伺うことができ、貴重な体験となりました。

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