花にまつわるお花し-2

※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

~Vol.4~☆ラベンダーの香り☆ (2001/06/29)

「ラベンダー」という言葉から皆さんは何を想像されますか?富良野の広大なラベンダー畑でしょうか?それとも、リラクゼーション効果のあるアロマテラピーとか、ポプリとかを思い出すのでしょうか?私の場合は、ちょっと違います。
私が真っ先に連想したのは、昔「NHK 少年ドラマシリーズ」でテレビ放映された「タイム・トラベラー」の原作、SF小説「時をかける少女」です。(笑)

小説の中で主人公は、ラベンダーの香りを嗅いでから、時空をかける能力者になります。
この小説を読んだ頃、まだ「ハーブ」という言葉は一般的ではなかったはず…。
当時小学生だった私には、「ラベンダーの香り」がどのような香りなのかも想像がつきませんでした。

このSF小説は、原田知世さん主演で映画にもなった作品です。映画版の、フラスコの中で揺れる紫色の液体からラベンダーの香りが立ち昇る映像は印象的でした。
いまではすっかり有名になったラベンダーですが、著者の筒井康隆氏はどこでこのラベンダーに出会ったのでしょう?やはり冷涼でラベンダー栽培に向く、北の大地だったのでしょうか。

最近はイングリッシュ系の他にフレンチ系や、耐暑・耐病性のある交配種ラバンディン系ラベンダーなども市場に出回っています。いままで夏越しに苦労していた地域でも栽培できるようになり、ラベンダーファンには嬉しいことです。

今、以前友人からいただいたラベンダーを挿し芽にしています。
この梅雨が明けた頃には根がついているでしょうか?
花束になるくらいのラベンダーが収穫できるようになったら、再びあの小説で時を遡ってみようか…そんなことを考えてます。

~Vol.5~☆ユウナの花☆ (2001/07/27)

「ユウナ」と聞いて、ピン!ときた方、結構ゲーマーですね?(笑)もしくは、沖縄にお住まいとか沖縄フリークとか…?
そう、このユウナという花は沖縄に咲くアオイ科の植物で別名「オオハマボウ」と呼ばれるハイビスカスの一種です。

で、何故この花を知っているとゲーマーなの?というと、つい先日発売となったプレイステーション2 のソフト「FF(ファイナルファンタジー)10」のヒロインの名前がユウナ。そしてヒロインが胸につけているペンダントも、この花をモチーフにしたものなのです。

ユウナの樹は熱帯地方の海岸近くに生育する常緑広葉樹で、高さは10メートルほどにもなるとか。花は、咲き始めは元気の出てきそうな明るい黄色で、夕方には赤みがさしてきて、落ちてしまうという一日花。「ユウナ」には沖縄の方言で「夜」という意味もあるそうですが、そのへんにも由来がありそうです。

一つの花はたった一日の命ですが樹は次から次と花を咲かせ、だいたい年間通して見ることが出来るようです。FFファンの私としては、この花がゲームストーリーにどのような意味付けがされているのか、ちょっと気になるところです。ゲーム内では、主人公の名前など沖縄の方言が使われているところがそこかしこにあるようで、この夏はちょっとした沖縄ブームになりそうな予感。

空と海の青、ハイビスカスの赤、そしてユウナの黄色。いつか沖縄の地へ、本物のユウナの花に会いに行きたいなぁ。

~Vol.6~☆秋の七草☆ (2001/09/07)

お盆を過ぎると、さすがに朝夕の暑さもやわらいで、時折吹く風に秋の匂いを感じとったりすることもあります。お彼岸を過ぎると、お日様もつるべ落としの本格的な秋。そう考えるとなんだかもう少し夏でいて欲しいような、そんな気もしますね。

ところで皆さん、「秋の七草」って全部言えますか?
「春の七草」は七草粥で話題にのぼることも多いせいか、「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」と、何となく言えちゃったりしますが、秋は…うーん、オミナエシ?ハギ?恥ずかしながら私は言えませんでした。

そこでちょっと広辞苑のお世話に…。
秋の七草「萩・尾花(ススキ)・葛・撫子・女郎花・藤袴・朝顔(桔梗)」とありました。

春の七草がスラッと出てきたのには、四辻左大臣の歌があるせい?と思ったら、秋の七草もちゃんと歌に詠まれているんですね。しかも山上憶良の歌で、「万葉集」におさめられていたとは!勉強不足もいいところでした。

さてこの七草、春は食用にしますが、さて秋は?と思い、さらに調べてみることに。

●萩…食べませんね。
●尾花…お月見に飾るだけです。
●葛…食べ物というわけではありませんが、漢方の葛根湯に使われます。
●撫子(ナデシコ)…大和撫子の名があるとおり、古来よりその花姿を楽しむものとされていますが、種には利尿効果があるとか。
●女郎花(オミナエシ)…これも乾かした根を利尿剤として使用するようです。
●藤袴…花を楽しみます。
●朝顔…これに関しては諸説あるようですが、一般的に現在の桔梗のことではないかといわれています。桔梗は、漢方で去痰、咳止めに用いられました。

…ということで、残念ながら秋の七草は一部漢方を除き、見て楽しむに限るようです。
考えてみるとこれらの花は、園芸品種も多く出回っていますよね。
豊富な花色、葉も斑入りのものがあったりと、本来の花姿を見失ってしまいそうなくらいです。

あなたの身の回りでは、秋の七草を幾つ見つけられるでしょうか?
行楽にも良いシーズンとなりました。ちょっと「秋」を探しに出かけてみるのもいいですね。

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