イベントで蘭栽培のコツも学ぶ!

※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

各地で催される花イベントは、ただ花を見るだけでなく、栽培方法を学ぶチャンスでもあります。今回は2002年3月に開催された「イーハトーブいわて世界の蘭展」の模様と、蘭の栽培教室をレポート!

2002年3月30日から4月4日、岩手産業文化センターアピオにて、「イーハトーブいわて世界の蘭展」が開催されました。
世界の蘭3000種約2万株という大規模な展示会は北東北では初めてということで、私も蘭の世界を堪能すべく会場に赴いてみました。
前売り券完売のところも多いとの情報が入り、初日の開場時間めざして出かけたのですが、既に人、人、人…。情報はガセではなかったようです。

入り口を入ってすぐ、数え切れない蘭の花で彩られた巨大ディスプレイが出迎えてくれました。
これらディスプレイは「銀河鉄道の停車場」、「グスコーブドリの遊園地」、「チェリスト・ゴーシュのファンタジー」、「ダースコダーダの火まつり」、「羅須地人の無常」といった、イーハトーブゆかり(宮沢賢治の作品ゆかり)の名前が付けられ、観客の目を惹いています。



個別株展示部門ではグランプリ作品の展示のほか、いずれ劣らぬ優秀株がズラリと並んでいます。また、洋蘭・東洋蘭・日本蘭の生産者による展示即売も大盛況!

開催初日は、イーハトーブ世界の蘭展審査委員長を務められた園芸研究家・江尻光一氏の「初心者のための栽培教室」が人気を集めていました。私もメモを取りながら、約一時間のお話に聞き入ってきました。

大勢の愛好家に囲まれて大きな拍手と共にはじまった江尻光一さんの栽培教室。カトレア・シンビジュウム・デンドロビュウム・オンシジュウムなどを前に、鉢を手に取りながら開口一番「蘭は100年は咲くのです」と。

「長いものでは133年経たパフィオもあります。」の言葉に開場からは感嘆の溜息が…。二階の方々にも見えるようにと、ホワイトボードの向きを変えたりといった心遣いもあり、お人柄がうかがえました。
時折会場が笑いに包まれるようなお話をまじえながら、洋蘭(主にシンビとデンドロ)の栽培方法を解説してくださいました。

ここで洋蘭のポイントをご紹介!
花を咲かせるには…日照量・風・水が大事!
・日照量…年間500時間※
・風を良く通す
・水は乾いたら
※一日6時間とすると×90日 但し、葉の表に日が当たるように(特にカトレアは注意)  また、直射日光は避け、寒冷紗のようなもので日よけを

・シンビジュウムは、4~5月頃に新芽の数を調べて整理する。(6号鉢で、3芽残して後は折る)
・新たに手に入れた株は、一年間は植え替えしない。(環境に慣れるのに時間がかかるため)
・蘭は鉢が小さいほうが良く花が付く。

おしまいに、簡単な年間管理と肥料についてご紹介します。

洋蘭の年間管理
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月
├─休眠期─┼ 成長期 ┼休眠期┤
          (戸外)
6/1~9/30頃が成長期
通常は9月中旬~10月に花芽ができ、4月~5月開花だが、温室管理になると3月頃開花する。また、冬季は夜~明け方の気温が6~7度あれば問題ない。

シンビジュウム
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月
       ├─施肥──┤
5/1~9/30が施肥期間
液肥は期間内週一回
置き肥は5月・6月・9月の年3回

デンドロビュウム
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月
        ├施 肥┤
5/1~7/30が施肥期間
液肥は期間内週一回
置き肥は5月末・6月末の年2回

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