プランニングのヒントーPART2.プランニングシートを作る

※ オールアバウトで掲載終了した記事を再編集しました。内容は公開時のものとなります。

前回「プラン・デザインの前に」で、自分の庭の現況シートを作成しました。今回は、それをもとに、庭への思いを詰め込んだプランニングシートを作成します。

大概のガーデンデザイナー・プランニング・施工会社では庭づくりを依頼すると、施主の意向と様々なアイディアを盛り込んだプレゼンテーションを作成してくれます。
パース図面にイメージ写真を貼りこんだものや、手書きのイメージ図、最近はCADシステムを使って仕上げた図面をプリントアウトしたものなど形式は様々ですが、これにより施主は庭の出来上がりをイメージして、施工を依頼するわけです。

今回作成するプランニングシートは、いわば自分から自分(家族)へのプレゼンテーションとなるわけです。

では、まず必要な物を準備しましょう。

・庭の現況図(何枚かコピーを取っておく)
・メモ帳・筆記用具(あれば色鉛筆も)
・定規
・トレーシングペーパー
・自宅の庭の写真
・参考となる植物や庭の写真、本など

準備はできましたか?(現況図がまだ出来ていない方は「PART1.プラン・デザインの前に」を参考に、作成してください)

それではプランニングをはじめましょう!

【WORK1.考えを書き出す】

現況図を作成したときに、自分の庭がどんなものかが掴めたと思います。そのとき感じたことや問題点、これからの希望を書き出していきます。
メモ用紙一枚に一事項ずつ書いていくと、後で考えをまとめやすくなるでしょう。
例えば…
・庭の西面は西日が強く差し込む(○○は枯れてしまった)
・東面は道路に面しているので目隠しが欲しい
・北西は隣家の影で、いつも日当たりが悪くジメジメしている
・リビングから見えるところに○○の木を植えたい
…etc.

植物や庭の写真・ガーデニング本などを参考にして、思いつく限り書き出してみてください。
これからやってみたい希望などは、実現可能かどうかは後回しにしてとにかく書き出して見ましょう。


【WORK2.庭のゾーニングと動線】

アプローチ・主庭・サービスヤードなど、庭のゾーニングを確認しましょう。
カーポートや物置など動かせない既存物が、ちゃんと現況図に書き込まれていますか?

そのうえで、庭での動線を考えます。
例えば、玄関からカーポートに行くには、どこを通りますか?
勝手口から物干し場へ行く通路はどこでしょう?
屋外水栓を使用するときはどうですか?
リビングから庭にでるときはどうでしょう?
このように普段通路として使用している場所をプランニングシート(ここでは現況図のコピー)に書き込んでいきます。わかりやすいように、色鉛筆で書き込んでいくと良いですね。



「WORK1.」の希望「リビングから見える場所にお気に入りの木を植えた」として、万一それが動線上だったりするといちいち避けて歩かなくてはならず、とても不便なことになります。そのような事態を避けるために、動線の確認は重要になります。

動線を考えるときに注意したいのは、家族以外の人の出入りです。
これは案外見落としやすいのですが、人の出入りは玄関や勝手口に限らず、ガスや水道・電気メーターの点検、オイルタンク、ガスボンベの補充・交換などで業者が出入りすることがあります。
このようなライフラインに関わる計器が道路から奥まった位置にある場合は、通路を確保しておく必要があります。

ゾーニングと動線を確認したところで新たな問題点などが出た場合は、WORK1.のメモに足しておきます。


【WORK3.考えをまとめる】

「WORK1.」で出た様々な考えを、「WORK2.」のゾーンごとに振り分けます。(ex.主庭の問題点と希望、サービスヤードの問題点と希望…)
振り分けたら、それぞれの問題点と希望をすりあわせていきます。

例えば主庭では…
希望…リビングから見えるところに○○の木を植えたい
問題点…リビング正面に植えると、庭に出るときに不便
この場合、プランニングシートに書き込まれた動線を見て、『リビングから見える範囲で、庭に出るときに不便にならない位置に木を植えよう』というふうに考えがまとまるでしょう。
このようにして、ゾーンごとに考えをまとめていきます。

しかし中には、かちあうような希望がでてきたりもするでしょう。
例えばリビング前には…
・ウッドデッキが欲しい
・子供用の砂場が欲しい
・芝生を敷き詰めたい
このような場合はとりあえずどの希望も残しておいて、後で他のゾーンとの兼ね合いで考えることにします。

問題点と希望をすりあわせることで、実現不可能なものは淘汰され、かなり考えがまとまってきたと思います。
それらを、あらためてプランニングシートに書き込んでみてください。
これで全体のプランを確認します。
さきほど決めかねて保留にしておいた事項は、それはそれで書き込んでおきましょう。

「WORK1.」からかなり絞り込んだとはいえ、この時点ではまだピンとこない・決められない事がたくさんあるはずです。

次回はこのプランニングシートを図面化することで庭をイメージし、更に考えをまとめていきましょう!

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